デュアルエンロールメントの概要

 

デュアルエンロールメントは、高校生が在学中に大学に相当するクラスを履修することで、高校と大学の単位を同時に取得できるシステムです。同じようなシステムでは、アドバンスト・プレイスメントやバカロレアなど、世界的に認知されているシステムがありますが、それらとは異なって、デュアルエンロールメントプログラムは一般的に特定の地域内で運営されています。スクールディストリクと呼ばれる学区内の高校と地域の大学が共同で運営されています。呼称は、地域によって異なっていて、カリフォルニア州ではコンカレントエンロールメントと呼ばれています。

三和一善

 

デュアルエンロールメントのコースは、一般的に高校ではなく、大学のキャンパスで提供される場合が多く、授業も大学が行います。高校に在学している間に大学の授業を受けることができるため、将来の進学に向けた良い機会となります。ただし地域によって、学生が高校から大学に移動することが困難な場合は高校内でプログラムを提供することになります。その場合は、コースを提供する大学から認定を受けた高校の教員がクラスを担当します。大学のキャンパスと同じ経験をすることはできませんが、慣れた環境で学習でき、時間を有効に利用することができるので、より集中した取り組みができます。

 

高校生にとって、実際に大学のキャンパスで学習する体験は、将来の進学プランをたてる上で貴重なものとなるはずです。大学のキャンパスでは、さまざまなコースを履修でき、上述のアドバンスドプレイスメントや、バカロレアなどでは提供されていないコースの履修も可能です。デュアルエンロールメントでは、アカデミックコースだけでなく、一般的な職業支援のコースや、語学コースなども選択できます。例えばプログラミングや、簿記、メカニック関係の職業に直接結びつくコースなどを履修し、将来自分のやりたい仕事の選択に直接関係するスキルも習得できます。

 

ただし、大学に進学する際に、すでに高校在学中から履修単位として認定してもらいたい場合は、デュアルエンロールメントを選択するよりも、世界的に認知されているアドバンスドプレイスメントなどのプログラムを選択することをお勧めします。デュアルエンロールメントの場合、受講した大学以外の大学では認定されないケースが多く、また、地域のコミュニティカレッジなどで受講した単位は、州立大学への移行を認められないこともあるためです。米国以外の国で、大学への進学を目指す場合もアドバンスドプレイスメントなどの認知されたプログラムを選んだ方が無難です。例えばヨーロッパなどでは、すでにアドバンスドプログラムは認知されていますが、米国の地域内プログラムであるデュアルエンロールメントがどの程度認知されるかは未知数だからです。

 

どのコースが自分に合っているか、履修前に高校のカウンセラーとよく相談をし、ワークショップなど、事前に経験ができるプログラムを高校で受けることもで切ることがあります。このようなサービスを利用して、準備をして臨むことが、成功への近道です。(丸山修・Kazuyoshi Miwa 三和一善)

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