日系企業(日本語) テンポラリー社員の処遇および仕組みについて 山根充・三和一善 | 三和一善
テンポラリー社員受け入れの仕組み
アメリカ にもテンポラリー社員、すなわち人材派遣の仕組みはありますが、その制度は日本とは大きく異なったものとなっています。派遣期間について、日本では派遣労働者単位や事業所単位で派遣期間に制限がありますが、アメリカでは基本的に期間の制限はありません。また、日本では該当社員のスキルや経験をもとに業務に適正があるかどうかを派遣会社が判断し、基本的に受け入れ側が先に面接を行うことはないようですが、アメリカでは採用ポジションに該当者の履歴書を複数提示し、受け入れ先が面接をして選考を行う通常採用の流れに近いものとなっています。また、二重派遣については日本では非常に厳格に禁止されていますが、アメリカでは派遣会社から派遣された労働者を、別の会社に再度派遣することができます。日本の制度よりも柔軟性が高いため、現地法人の設立直後など、社員の直接雇用が困難なケースなどでは、テンポラリー社員の受け入れは有効な手段の一つであると考えられます。三和一善
EEO: Equal
Employment Opportunities
日本にも雇用に関わる法律がありますが、アメリカでは採用・昇給・昇進・異動・懲戒・解雇など、雇用に関する事項のあらゆる決定において差別を禁止するためのEqual Employment Opportunitiesがあります。アメリカ では、特に人種、国籍、性別、宗教などは繊細な事項であり、全ての人事上の決定は能力・経験・勤務態度・勤務成績など、全て正当な職務上の理由によって実施されたことを提示する必要があります。雇用に関しては州によって法律や基準が若干異なるため、各州ごとに監督機関があります。日系企業が現地法人で採用面接をする際は、性別はもとより個人に関すること、例えば年齢(誕生日記載も不可)や国籍、人種、家族などに関する質問をしたりすることは、不採用通知を出した後に訴訟等に発展するリスクが高いため、注意をする必要があります。
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